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お客様の声:佐久間税務会計事務所 佐久間裕幸先生

 

お客様の声

 

電子帳簿保存法のプロが語る!
 電子取引データの保存義務化とe-PAPスマート・ストレージの活用

e-PAPスマート・ストレージをご利用いただいている佐久間裕幸先生よりお話を伺いました。

プロフィール
  • 公認会計士・税理士
    佐久間税務会計事務所 所長
    佐久間裕幸
    (さくま・ひろゆき)

  • 【略歴】
    慶應義塾大学商学部卒業
    慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了
    監査法人中央会計事務所(中央監査法人に名称変更)を経て、佐久間税務会計事務所を開設。
    日本公認会計士協会情報システム委員会、日本税務会計学会法律部門委員等を歴任
    南山大学大学院ビジネス研究科教授、元気寿司株式会社監査役など
    (いずれも任期終了)

    【主な著書等】
    「国税庁Q&A対応 中小企業の電子帳簿・取引サポートブック[完全対策版]」ぎょうせい、2023年
    「中小企業の電子取引サポートブック[インボイス対応版]」ぎょうせい、2022年
    「平成28年度改正対応 こうなる!国税スキャナ保存・スマホ撮影保存」ぎょうせい、2016年
    「国税庁Q&A対応 実践 税務書類のスマホ・スキャナ保存」ぎょうせい、2016年
    「電子帳簿の実務Q&A」ぎょうせい、1998年
    ほか多数

電子帳簿保存法を使い倒してほしいです

佐久間裕幸先生

―――電子帳簿保存法についてわかりやすく教えてください。

所得税、法人税の帳簿書類のデータの電子保存を認め、あるいは電子取引をしたデータを、電子的に保存しなさいという国税の法律ですね。帳簿、書類、スキャナ保存、電子取引の4項目が定められています。

―――電子取引データ保存の義務化についてはどうなるでしょう?

令和3年に大改正が行われましたが、企業もすぐには対応するのが難しいので、2年間の宥恕(ゆうじょ)期間がおかれていました。2024年1月から規則通り、電子取引データ保存が義務化されます。

業務の流れを変える必要はありません。電子取引のデータ、例えば、メール添付でPDFの請求書をもらって紙で出力する、それを経理に回して処理してもらうのはOKです。ただし、そのPDFのデータ自体も取っておいてくださいと。

航空券を買ったとか、書籍を買ったとか、社内のあちこちにある領収書をダウンロードしたデータ、これを経理の管理下に集めるところが重要ですね。

―――電子帳簿保存法の検索・保存要件について教えてください。

電子取引について言えば、まず、見読可能性の確保ということで、税務調査の時に、電子データを見てもらえるようにディスプレイやプリンターを用意しましょう。

次に、検索性の確保、すなわち「日付」「取引先」「金額」で検索がかかること、「日付」「金額」については範囲指定ができること、そして複数の項目を組み合わせた検索ができること。例えば、3月21日から31日まで(日付)の5万円以上(金額)の取引を見たいなっていうのが、検索できないといけません。

―――タイムスタンプについては、どのように考えればよろしいでしょうか。

こちらも要件の1つ、真実性の確保ですね。これは、①タイムスタンプを押したデータをもらう、②データをもらったときにタイムスタンプをつける、③訂正削除ができないor訂正削除履歴がわかるシステムを使う、④正当な理由なしに訂正削除しちゃいけないっていう規定を設ける、この4パターンがあります。

中小企業だと、おそらくは④の規定を設けていくと思いますので、この場合、タイムスタンプはいらないです。

―――中小企業、個人事業主では、どのように対処していけばいいでしょうか。

小さい会社で問題になるのは、たまに社長が出張で航空券を買ったり、 ネットで買い物したりしたときの請求書データをどうするか。そこは、会社の中で「必ずここに保存する」っていうフォルダを作成して、あとは事務処理の規定に担保してもらえばいいと思います。

ただ、数人で1つのフォルダを見ないといけないので、各自のパソコンではなく、共有のストレージがあるといいでしょう。

社内にサーバーや共有ハードディスクを置くのもいいですが、LANを設定しないとサーバーに繋がらないし、出先からどうやろうかという問題も出てくる。例えば、建設業だったら、現場の写真を撮ったりするわけですから、その写真を社内のサーバーに共有するという話は敷居が高いのかもしれない。

そうすると、みんながアクセスできるところ(クラウド)にストレージを持つというのは、1つの選択肢ですよね。会社に戻らなくても、出先が遠いところで1週間出張っていう場合でも大丈夫になる。

クラウドのいいところは、世界どこにいても、電波さえ繋がれば繋がるっていう安心感があるところですね。

―――インボイス制度が始まりましたが、電子インボイスはどう保存していくべきでしょうか。

電子帳簿保存法では、電子インボイスっていうのは電子取引に過ぎません。だから、電子インボイスのQ&Aと電子取引のQ&Aはそっくりなんですけれども、消費税法では、デジタルインボイスも紙で出力して、紙保存でいいですよって書いてあるので、消費税の仕入税額控除が心配な会社は、紙で全部出しとこうねっていう話になりますね。

「電子インボイス」「デジタルインボイス」とは?

インボイス制度の説明において、よく見かける単語ですが、それぞれ異なる仕組みのインボイスです。

当社では、以下の通り区別しています。

  • ・電子インボイス:PDFなどのデータで受け取ったインボイスを、データのまま保存したもの
  • ・デジタルインボイス:インボイスを Peppol (※)により電子データ化したもの
    ※ ペポル:電子文書をネットワーク上でやり取りするための世界標準規格

―――Peppol(ペポル)の普及というのはいかがでしょうか。

Peppol、デジタルインボイスとも繋がりますけども、電子取引を活発にしようというのを支える基盤なので、10月1日から活発に動いてほしいと思いますが、現時点ではあんまり聞かないですよね。

Peppolの規格について、私はよく「電子メールと似てる」って説明してます。例えば、私はドコモ、あなたはauと、別の会社で契約してます。でも、メールのやり取りはできる。メールの仕様が通信会社の間で共有されているから、うまく回るんですね。

Peppolも同じです。だから、販売管理ソフト、購買管理ソフトの会社がいかに多く加盟するというのがポイントになります。

デジタルインボイス(Peppolネットワーク)

もちろん、企業全体のスキルアップができていないと、電子的に送られても、うちは購買管理システムなんか入れてないからっていう話になってしまう。だから、請求書のデータを送りますって言ったとき、Peppolで電送信もできます、メール添付の請求書を送ることもできます、ファックスで送ることもできます。封筒で送ることもできます。そういうシステムがあれば、どんな相手にでも対応できる。

Peppolに必ずしも頼らない電子取引化を、企業のスキルに応じて考えていく必要があります。

―――電子帳簿保存法について、顧問先に指導するとき注意すべきことはありますか?

顧問先にどれだけ適した処方箋を切ってあげられるか。そのためには、その顧問先の実情、現場を見てあげることが大切です。我々は、ついつい経理の人とだけ話をしてしまうので、経理に集まってくる書類だけが目に付きますが、製造業なら工場、小売業なら倉庫や店舗にいろんな書類があります。それらの紙をいかに減らしてあげるか。

電子取引データ保存の話をしてきましたが、請求書が来てからスキャナ保存する手もあるわけですね。あるいは、コンピューターで作った書類だから、控えは出力しないで、書類を電子保存する。いろんな手がある。そこは電子帳簿保存法をいろいろ使い倒してほしいと思います。

電子取引データ保存義務化の解決策に

  

e-PAPスマート・ストレージとは

エッサムが提供する、インターネット上の記憶領域(ストレージ)をデータの保管先として使用できるクラウドサービスです。
改正電子帳簿保存法の電子取引データ保存制度、スキャナ保存制度の適用を受ける場合に、データの保管先として最適です。
佐久間先生には、2021年より250GBコースでご利用いただいています。

佐久間裕幸先生

―――事務所ではe-PAPスマート・ストレージをどのように使っていますか?

事務所では、顧問先担当の人が、もらってきたデータをe-PAPスマート・ストレージ(以降、佐久間先生のご回答ではストレージと表記)に保存すると、入力担当の人がストレージのデータを見ながら(財務・税務のシステムに)入力するという運用をしています。

あとは、スタッフが作ったExcelやWordなどの細かい資料も、顧問先ごとにフォルダを作って、その下に年度別のサブフォルダを作っていって、ストレージ上で共有している。だから、ストレージを見れば、担当者がどう仕事をしているのかを確認することができます。

―――e-PAPスマート・ストレージを導入された理由は?

物理的なハードディスク管理をやめようというのが一番の理由です。

それまではネットワーク・ハードディスクというのを使っていて、当時は3台目だったのかな。壊れそうなときもあったし、IPアドレスとかの設定を全部私がやってましたが、だんだん煩わしくなってくるし、こちらの知識が追いつかなくなるかもしれないみたいな怖さもあった。

そうすると、やっぱりクラウドサービスがいいですよね。

―――実際に使ってみて、よかった点を教えてください。

設定さえしておけばどこからでもアクセスできるので、事務所と自宅の境をなくすことができるようになりました。自宅のパソコンはストレージにアクセスできるように設定してあって、土日とか夜に雑誌の原稿の執筆とか、本の執筆とか、研修会のレジュメの作成をするんですね。だから、家で作ったものをストレージにアップしておいて、 翌日、事務所へ出てからプリントアウトして、ざっと中身をチェックするという使い方ができます。

保守は真夜中にやっておいてくれるし、この人数(10名)で法人100社分ぐらいを処理していて問題は感じていません。

―――今後、どのように活用していきたいですか?

顧問先からもアクセスできる「顧問先共有フォルダ」を作っていきたいですね。

現在は、スタッフが顧問先に伺って、通帳のコピー、現金出納帳や売上一覧表などをもらって、事務所に戻ってから入力ということをしています。でも、顧問先でコピーする代わりにスキャンをして、そのデータをストレージに入れてもらえば、訪問するより先に入力ができる。できあがったものをお届けするときに帳表を見ながら助言をするって形にしたら、月々の仕事の循環を速められそうだと考えています。

それに、顧問先が「スキャナで読み込んで、ストレージに置く」ことは、電帳法のスキャナ保存を兼ねていけますよね。電子取引データを受け取ってしまったときも、ストレージに保存すれば安心ですから、電子取引データの保存の義務化が始まっても、その解決策の1つとして「顧問税理士のe-PAPスマート・ストレージの中に入れる」という方策があると考えています。

―――エッサムのスマート・ストレージを検討中の方へおすすめする点は?

顧問先と1つの場所を共有しているんだっていう一体感も含めて、魅力があると思っています。

大きな容量を確保できて、顧問先単位でフォルダを置くこともできて、その顧問先フォルダにはその顧問先と会計事務所しかアクセスできない制限をかけた形で使ってもらえる。そうしたら、ストレージのフォルダは、電子取引データの置き場、月々で税理士事務所とやり取りをする書類の置き場として、顧問先企業の経理のルーチンに欠かせない場所になりますよね。でも、税理士事務所を変えた瞬間、そのストレージにアクセスできなくなるから、顧問先離れの防衛っていう意味でも役立てられるんじゃないかな。

コストは、顧問先へのストレージ提供料など、各先生のご判断でやっていただくとしても、埋没コストとしてうまくやっていけそうな気がします。

―――エッサムに期待することはありますか?

事務所の中のLANの設定からサーバー管理、システムのアップデートも含めて、全部お任せできちゃうところが一番ありがたいと思っていて、そういう中の1つとして、e-PAPスマート・ストレージなんだろうなと思ってます。

電話のサポートがあって、いざっていう時には担当者が飛んできてくれる。事務所のパートナーとしてずっとよろしくお願いしたいなと思う次第です。

―――ありがとうございました。

電子帳簿保存法とは?