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青色申告特別控除75万円時代へ~ 制度改正の要点と2026年に固める実務準備 ~

青色申告特別控除75万円時代へ

令和8年(2026年)度税制改正にて、青色申告特別控除の要件や上限額が見直されました。

電子化を促進する企業には控除額が大きくなる半面、 対応の遅れている企業は控除額減少に直結するリスクが出てきました。

本記事では、制度改正の要点とともに、そのリスクをチャンスに変える、 税理士が押さえるべきポイントを解説します。

(本記事は2026年9月時点の情報を元に記載しています)

制度改正の概要

電子申告の標準化、電子帳簿保存法の完全義務化など、アナログからデジタル前提の申告への移行を背景に、 紙中心の青色申告から、「電子データで正しく記帳する人を評価する制度」への転換が起こっています。

具体的には、令和9年(2027年)分の所得税より青色申告特別控除の区分が次のように変わります。
電子申告と電子帳簿保存が前提の申告となり、顧問先の電子化が控除額に直結する仕組みに変わります。

申告方法 控除額
改正前(現行) 令和9年分~
複
式
簿
記
e-Taxで申告
  &
優良な電子帳簿保存 または デジタルシームレス保存
65万円 75万円
(新設)
e-Taxで申告 65万円 65万円
(変更なし)
紙での申告(書面提出) 55万円 10万円
(大幅縮小)
簡
易
簿
記
前々年分の事業所得又は不動産所得に係る収入金額が1,000万円以下 10万円 10万円
(変更なし)
前々年分の事業所得又は不動産所得に係る収入金額が1,000万円超 10万円 0円
(対象外)
➡ 紙での申告は複式簿記でも、10万円に減額
➡ 電子化の有無で控除額に大きな差が生じます

顧問先への影響(影響が大きいパターン)

顧問先への影響

75万円控除のカギ!「優良な電子帳簿保存」

75万円控除のカギとなる『優良な電子帳簿』を満たす要件は以下の3つです。
この要件を、期首から期末まで満たすことで、優良な電子帳簿として認められることが可能となります。
❶ 訂正削除履歴の保存

帳簿の訂正や削除を行った場合、その事実と内容を確認できること

➋ 相互関連性の確保

仕訳帳、総勘定元帳などの記録事項の関連性を保持すること

➌ 検索機能の確保

取引年月日、取引金額、取引先により検索できること

要件を満たして申告すれば75万円控除が可能!

優良な電子帳簿を運用する際の注意点(国税庁 電子帳簿保存法一問一答より)
  • 仕訳帳・総勘定元帳だけでなく、売上帳、経費帳、固定資産台帳、売掛帳など、対象となる特例国税関係帳簿をすべて優良な要件で保存する必要があります。事業部や支店単位で作成している対象帳簿も、すべて要件を満たす必要があります。
  • 税務調査時には、CSV形式など通常出力可能で検索性のあるデータを提出できる状態にしておく必要があります。
  • 帳簿は課税期間の開始日から優良な電子帳簿として備え付ける必要があります。期間途中からの切替えは原則できません。
  • 操作説明書、システム概要書、訂正・削除・入力手順、処理日程、担当部署などを整備します。
  • 検索開始から結果の表示・印刷まで、整然かつ明瞭に出力できる必要があります。
  • 複数の会計ソフトの利用自体は可能ですが、帳簿間の記録事項の関連性を確認できるようにします。

「デジタルシームレス保存」とは

「デジタルシームレス保存」とは、請求書や領収書などの電子取引データを手作業で転記せず、自動で保存して会計帳簿へ連携する仕組みです。 令和7年度税制改正および電子帳簿保存法に対応した新しい概念で、業務効率化や税制上の優遇措置を受けられる仕組みとして注目されています。

>詳しくは国税庁の資料を参照ください。

75万円控除を目指すなら税務署への届出書も必要

国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る65万円の青色申告特別控除・
過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書(個人事業者用)

届出書


≪提出タイミングについて≫
 ・届出書は適用を受けようとする年分の確定申告書の提出期限までに提出。
 ・令和9年分に適用する場合は令和10年3月15日までの提出が必要。

【ワンポイント情報】
 令和9年3月頃に届出書の名称を「65万円」から「75万円」に変更予定。既に提出済みの方の再提出は不要です。


※今後の通達・国税庁の案内等により、内容が変わる場合がありますので、令和9年分に関する様式・記載方法については、必ず最新情報でご確認ください。

改正対応に向けて、顧問先で確認したいこと

改正対応に向けて、顧問先で確認したいこと

会計ソフトを選ぶポイント|JIIMA認証

会計ソフトにおいて、優良な電子帳簿を適用するには、電子帳簿保存法の要件を確実に満たす必要があります。その際に役立つのが、JIIMA認証です。
JIIMA認証は、保存要件・検索要件・改ざん防止要件など、電子帳簿保存法の要件を満たしていることを第三者が確認したものです。

優良な電子帳簿の運用を支える仕組みとして、顧問先にも説明しやすい"安心材料"となります。
JIIMA認証
JIIMA認証は
電子帳簿保存法の要件を
満たすための
第三者による確認"が可能

※この認証ロゴは公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会によりライセンスされています。
2027年1月からの適用に備え、2026年中の会計ソフト対応確認・見直しが重要です。

会計事務所向け


◆ JIIMA認証済みで要件を網羅
◆ 優良な電子帳簿に必要な仕組みを標準搭載
◆ 顧問先が75万円控除を狙いやすい環境を提供

企業向け


◆ 本格派 企業向けクラウド経理ソフト
◆ 優良な電子帳簿に必要な仕組みを標準搭載
◆ 75万円控除を狙いやすい環境を提供
経理
※『e-PAPクラウド経理Basic』では「優良な電子帳簿の保存」の要件を満たしておりません。『e-PAPクラウド経理Plus、Pro』をご利用ください。