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- 相続贈与
はじめに
国税庁は2026年9月下旬以降、e-Taxマイページの「贈与税関係情報」に新たな機能を追加します。
相続時精算課税の適用状況や贈与税の更正・決定に関する情報に加え、過去に書面で提出した申告書の提出記録も確認できるようになります。e-Taxだけでなく、書面申告を含む履歴を把握しやすくなるため、過去の贈与内容を踏まえた申告や相続対策にも役立ちます。
税理士も、納税者との委任関係を登録すれば情報を参照することが可能です。
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1.相続時精算課税の申告履歴を年分ごとに確認
国税庁は、e-Taxの利便性を高めるため、マイページの機能を順次拡充しています。
2026年9月下旬以降は、「贈与税関係情報」に『相続時精算課税適用状況』『更正・決定の通知情報』『書面申告提出状況』の3つの機能が新たに追加される予定です。
e-Taxマイページでは、2025年1月から、e-Taxで提出した贈与税の申告情報が受付番号順に表示される『申告書表示』の機能も提供されていますが、今回の機能追加によりe-Taxで提出した申告情報だけでなく、相続時精算課税の適用状況や過去に書面で提出した申告書の記録なども確認できるようになります。ただし、申告書などの詳しい情報を確認する際には、マイナンバーカードなどの電子証明書が必要です。利用を予定している場合は、電子証明書の有効期限を含め、事前にログイン環境を確認しておく必要があります。
新たに追加される機能の中でも特に注目されるのが『相続時精算課税適用状況』です。相続時精算課税制度を適用している場合、e-Taxマイページに特定贈与者の氏名と適用開始年分が表示されます。さらに、表示された特定贈与者を選択すると、「申告年分」「財産の価額の合計額」「相続時精算課税分の贈与税額」など、これまでに申告した内容を申告年分ごとに確認できます。
相続時精算課税は一度の贈与申告で終わるとは限りません。同じ特定贈与者から複数年にわたって財産の贈与を受けることもあるため、過去の申告内容を継続的に把握することが重要です。
これまでは、納税者が保管している過去の申告書の控えなどを確認しなければ、適用開始年分や過年度の申告内容を把握できないケースがありました。今後は、e-Taxマイページを利用することで、申告年分ごとの情報を整理して確認しやすくなります。もっとも、マイページの表示だけで申告に必要な確認作業がすべて完了するわけではありません。過去の申告書や贈与契約書、財産に関する資料なども併せて確認し、申告内容との整合性を確かめることが大切です。
『更正・決定の通知情報』では、贈与税の更正通知書や決定通知書に関する情報が表示されます。
2.更正通知書や決定通知書の情報も表示
更正や決定が行われている場合、当初の申告内容だけを確認しても、現在の正しい課税関係を把握できないことがあります。そのため、過去の申告を確認する際には、更正や決定の有無を含めて確認する必要があります。
新機能の追加後は、こうした情報をe-Taxマイページ上で把握しやすくなります。過去の贈与税申告を前提として新たな申告や相続対策を検討するときは、当初申告の情報だけでなく、更正・決定に関する情報についても確認することが重要です。
このほか、『書面申告提出状況』では、過去に書面で提出した贈与税申告書の提出記録が表示されます。2026年9月の機能提供開始時点では、2017年分から2025年分までの提出記録を確認できる予定です。同機能で表示されるのは、書面で提出した贈与税申告書の「提出記録」です。国税庁の案内では、書面で提出した申告書の内容そのものを閲覧できるとは説明されていません。したがって、申告内容を詳しく確認する必要がある場合は、納税者が保管している申告書の控えなどを別途確認することになります。
それでも、書面申告の提出記録が確認できれば、「過去に贈与税の申告をしたか分からない」「何年分の申告書を探せばよいか判断できない」といった場合の手掛かりになります。e-Taxによる申告と書面による申告が混在している納税者にとっても、過去の申告状況を整理するための有用な機能となりそうです。
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e-Tax上で納税者と「委任関係の登録」を行った税理士は、納税者のマイページに表示される「贈与税関係情報」を参照できます。
3.税理士による確認には委任関係の登録が必要
税理士が過去の贈与税申告や相続時精算課税の適用状況を確認できれば、納税者から預かった申告書の控えだけに頼らず、e-Tax上の情報も踏まえて申告内容を確認できます。
一方、税理士であれば自動的に閲覧できるわけではありません。納税者との委任関係がe-Tax上で登録されていることが前提となります。税理士に確認を依頼する場合は、委任関係の登録状況についても確かめておく必要があります。
なお、国税庁が公表しているマイページの画面は、検討中の内容を含むイメージです。今後、実際の画面表示や内容が変更される可能性がある点にも注意してください。
今回の機能追加により、e-Taxマイページは、贈与税申告を提出するための入口だけでなく、過去の申告状況を継続的に確認するための仕組みとしても利便性が高まります。相続時精算課税を利用している人や、電子申告と書面申告の双方を経験している人は、9月下旬以降に表示内容を確認しておきましょう。